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実験体。2

 …夢を、見ていた。
 目の前にいるのは、色違いの…空色の、ミュウ。深い青の瞳に私の姿を映し、私の周りを飛び回る。
 その毛並みに触れてみたくて、私は腕を伸ばした。ミュウは私の手の届く所まで降りてきて、甘えるように私の手に頭をこすりつける。
『すごい…生きてるんだ』
 それがミュウのテレパシーだと、私は何の疑問もなく受け入れた。
『いいな……温かい』
 私は意外とひんやりとしたミュウの艶やかな手触りを楽しんでいたので、その言葉に込められた本当の意味に気付かないところだった。
 ミュウが、生きている者の温かさに静かな感動を覚えていたのだとは。
 私達はそれきり暫く黙って、互いのもたらす心地良さに浸っていた。
 やがてミュウが、名残惜しそうに私から身体を離した。
『もう、行かなくちゃ。これは、最期に会えたお礼』
 ミュウは身体に青いオーラを纏わせ、そのオーラを集めてビー玉のような青い球を作った。私が受け取ると、それは再びオーラにばらけて私の身体の中に消えていった。
『恐れないで』
 ミュウの姿は急速に薄れてゆく。
『生きている限り…可能性は……』



 目を開けたら一面薄青の世界だった。私はどこかに浮いていて、薄青のヴェールの向こうには何かの機械が見える。
 何の機械だろう、と思って近付こうとすると、ガラス壁にぶつかった。 ガラス壁に映った自分を見て、私は完全に目が覚めた。
「ミュ…ッ」
 漏れ出た声は甲高く、私を見つめ返す目は青い。ピクピクッと、尻尾が左右に揺れる。
 そうだった。今や私が…私自身が、空色のミュウになってしまったのだった。それはどうやら夢ではないらしい。
 段々と思い出してくる。このガラス管に閉じ込められて、少しでもこの身体の事を把握しようとあちこち動かしてみたのにどうにも上手く動かせなくて、四苦八苦しているうちに疲れて眠ってしまったようだ。
 ──だって指が三本しかないし、尻尾があるし。
 何というか、考えれば考えるほど、ドツボにはまっていくような感じ。
 この尻尾がなぁ…、と考えながらそれを緩やかにくねらせ、私はん? と首を傾げた。
 私、今、この尻尾を動かせた?
 もう一度、先程の感覚を思い出しながら、同じ動きを再現してみる。眠る前、全く思ったようには動かせなかったのが嘘のように、それはしなやかに動いた。
 …うわぉ。私、この身体に慣れてきちゃったんだろうか。
 嬉しいような、悲しいような、何とも複雑な気分である。
 それとも…。ふと私は、さっきの夢の事を思い出していた。
 ミュウ。貴方の仕業なの?















「何だ、この能力値は…? 最初のデータと違うではないか」
「ミュウが眠ってから、急激に伸びだして…」
「元からポケモンとしては最高レベルだったのに、まだ伸びるとは…。嬉しい誤算だな。やはり、人間と合体させた影響か?」
「いかがなさいますか?」
「ん? 勿論、計画は続行だ。人間の精神を持つなら、技も五つ以上覚えられる筈…。楽しみだな」

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実験体。

 私は円柱状のガラス容器の中に入れられた。上下には大仰な機械が接続され、容器は密閉される。
 程なくして天井の機械から薄青色の液体が降り注いできて、相変わらずぴくりとも動かない私の毛皮を濡らす。それは改めて私に全身の感覚を再認識させた。人間よりも、遥かに鋭敏な感覚を持つ身体。落ちてくる液体で空気が揺れる、その揺れすら感じ取る感性。
 私はこれっぽっちも動けないのに液体は降り止まず、だんだん床に水たまりを作り、水たまり同士がつながり、ついには容器に溜まっていく。上がってくる水位に、私は焦った。
 このままでは溺れてしまう!
 だがどうやらそれは杞憂に終わりそうだった。液体が特殊なのか、ミュウの能力なのか、私は液体の中で呼吸している自分に気付いた。薄青の液体は今や容器全体を満たし、比重の関係なのか、私は容器の中央付近に浮いている。
 ようやっと周りを観察する余裕が出てきて、私は容器の壁に顔を近付けた。部屋の中には大きな機械やパソコンが何台も置かれていて、その合間を白衣の人間達がせわしなく動き回っている。指示を出しているのは、あのドクターと呼ばれている男だ。
 こつん、と頭がガラス壁にぶつかり、私は慌てて姿勢を正した。いつの間にか身体が動くようになっている。そう、考えてみればさっきも、頭を動かすことができたんだっけ。
 私はふぅ、と溜め息を吐いた。もうなるようになれ、だ。幸いにもこの液体の中にいる間は、あのズキズキするような頭の痛さはない。その分ミュウの感覚や能力は封じられているのかもしれないが、今の私にはちょうどいい。
 私は身体のあちこちを、確認するように動かし始めた。

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絶望。

 ──ああ…頭が……ズキズキする。
 それはまるで度の合わない眼鏡をかけたような、大音量で音楽を聞いているような、そんな頭の痛さと重さ。
 身体が動かない。どうやって身体を動かしていたか、思い出せない。何だろう…、私は何だろう?
 ふと空気が動いた。重い布越しに、それを感じた。布の重さは、私の身体の小ささと非力さを教えてくれる。
 頭があって、耳が頭の上に出っ張ってて、くびれのない小さな胴体があって、短い手があって、足があって、長い尻尾が伸びている。これはミュウというポケモンの身体だ。
 でも私は…私は人間で、ミュウの身体の事なんか知らない。頭に流れ込んでくる膨大な感覚情報をどうすることもできないし、生えてしまった尻尾がどうやったら動くかなんて分かりっこない。
 大きな手が、私をくるんでいた重い布、私の服だった布の塊の中から私を引きずり出した。それは今の私にとってはあまりに乱暴で、私は悲鳴を上げずにはいられない。
「ミュウ! (痛い!)」
 痛い、確かに私はそう叫んだし、私の耳にはそう理解できる。けれど聞こえる音はどうしようもなく甲高いミュウの鳴き声で、それが私をより絶望させる。私は最早、人間ではないのだと。
 そんな私とは対照的に、私を掴み出した白衣の男…ドクターは、狂喜していた。
「確かにミュウだ! 生きている、色違いのミュウだ!! ついに、手に入れた!」
 嫌だ。私はこんな男のものじゃない。…気持ち悪い!
 ドクターの手を振りほどく。飛び下りて、冷たい床を、慣れない足で踏みしめる。
 ダメだ、両足でバランスを取るのが精一杯。こんな二足歩行にも四足歩行にも向かなさそうな足では…いっそカンガルーのように跳ぶしか…。
 さっきよりは少し動くようになった身体で、兎跳びをしているような気分で、白衣の人々の手を懸命にかいくぐる。
「こいつ…っ! 意外とすばしっこい!」
「実験体の分際でちょろちょろして!」
「おい、麻酔銃を持て!」
 この部屋ではポケモンは出さないんだ、と思ったのが隙につながったのだろう。今まで感じた事のない所にチクリとした痛みを感じてハッと振り返ると、引きずっていた尻尾の先に針が刺さっていた。
 ヤバい、と思った時には、私の身体は再び力を失って倒れ込んでいた。今度こそ、完全に身体に力が入らない。
 ドクターが再び私を掴み上げた。
「諦めたまえ」
 彼は酷薄な笑みを浮かべた。
「逃げてどうするつもりだったのかね? さっきの無様な動き、君はどうやら人間の方の意識を持つようだ。ならば分かるだろう。ここから逃げれても、どこにも行くあてがない事は…」

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露呈。3

「すいません。本当に迷惑かけてしまって…」
 ミュウが変身したトレーナー、アオイは恐縮そうに頭を下げっぱなしだった。
 今度こそ事情を詳しく聞いたジュンサーは、あまりの事態に複雑な表情をしている。そしてそれは、ジョーイにも言える事だった。
 転送装置の不具合を利用した、ポケモンの遺骸と人間との合成。ほぼポケモンの身体とほぼ人間の精神を持つ色違いのミュウは、それ故にとてつもなく特殊な存在として未だに狙われることも多い。
 道理で、とジョーイは思った。道理で治療用ボールにもなかなか入ってくれなかったわけである。
 ポケモンセンターには、ボールまで損傷したポケモンや野生ポケモンも保護できるよう、如何なるポケモンも入れることのできる治療用ボールというのが用意されている。だが、文字通り瀕死であったにもかかわらず、アオイはなかなかボールに収まらなかった。それはアオイがミュウという伝説ポケモンである以上に元人間だったという事が原因だったのだろう。
「貴方のポケモン達は、貴方の事を知っているのかしら?」
 アオイは、はにかんだような笑みを浮かべた。
「皆、全部知った上でついてきてくれてます」



「そう…、行くのね。お気を付けて。全国のポケモンセンターには、ちゃんと通達を出しておくわ」
「何から何までお世話になりました」
 アオイはジョーイに頭を下げた。今後、どこのポケモンセンターに行っても、アオイがトレーナーカードを見せれば個室が用意してもらえることになる。また、申し出に応じてジョーイが部屋までアオイ自身のボールを取りに来てくれるようにもなった。
 今まで『身代わり』を駆使して自身の回復にこぎつけていたアオイにとって、かなりの負担軽減だ。
「無茶はしないのよ」
 ジュンサーも見送りに来ていた。アオイはすっかり同情されて、何かあったらすぐに連絡を入れるようにと警察本部直通の番号をポケナビに登録されていた。元から警察直通の番号はもらっていたが、もっと上位にまですぐ連絡の取れる状態になったわけだ。尤も、当のアオイは、この番号は使わないだろうなぁ…と考えている。
「さぁて、行きますか」
 また、次の町へ──

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露呈。2

 ふわふわとした、心地良い浮遊感。もし雲に乗れるのだとしたら、雲はこんな感触なのだろうか。
 ふと意識を取り戻して見回すと、そこは柔らかな乳白色の光一色の世界だった。この色。微妙な無重力感。調整されていないボールの中だ。
 一応はトレーナー持ちのポケモン(?)の自分が、自分のではないボールに入れられている!?
 ここはオーレ地方ではない筈なのに、まさかこんな所にもスナッチマシンがあったりしたのだろうか。そして自分はスナッチされてしまったのだろうか。
 いや、それ以前に。自分がポケモンだと、バレた!?
 直前までの記憶が蘇ってくる。そうだ、確かポケモンセンターまでは何とか辿り着いて、ジョーイさんに皆を預けて…。そこで、倒れたんだった。
 …多分、その時に『変身』も維持できなくなったのだろう。そしてどうやったのか、このボールに入れられたというわけだ。
 ボールに完全に入ってしまっている今、じたばたしても出られないだろう。皆はどうしているだろうか。回復はしてもらっていると思うけど、マスターがポケモン化した挙げ句の果てに他人にゲットされて、野生に帰ったりしたのかな?
「気が付いたみたいですわ」
 物思いに耽っていたら、外からジョーイさんの声が聞こえてきた。
「じゃあ、事情を聞きましょうか」
 ジュンサーさんの声もする。ボールが持ち上げられ、運ばれて…
 いきなり出されたものだから、上手く姿勢を制御できなくて、浮く事を忘れたまま床に衝突してしまった。



 色違いのミュウは、ボールから出された勢いのまま、ベシャッと床に叩きつけられた。普通のミュウは浮いているものだが、このミュウはなかなか浮き上がろうとしない。体の作りを考えると立つのは難しい筈なのに、どうにか立ち上がろうとして、また転んだ。それからやっと、思い出したように、床からほんの少し、身体を浮き上がらせた。
 知性を秘めた青い瞳が、部屋にいるジュンサーとジョーイを捉えて訝し気になる。他に誰もいないのか、とその目は語っているようだった。
「ミュウミュ?」
「バトルをしてもらいたいわけじゃないわ。私達は、貴方の話を聞きたいの。ミュウなら、テレパシーが使えるでしょう?」
 ミュウは困ったように黙り込んだ。テレパシーってどうやるの?とでも言いたげな様子だ。
『テレパシーは…得意じゃない』
 暫くして、小さな思念の『声』を出す。
『ミュウならテレパシーが使えるのかもしれない。でも自分は元々、ミュウじゃなかった』
「ミュウじゃなかった…?」
 ミュウは頷いた。
『…人間、だった。異世界の』
「それって…」
 ジュンサーは、ミュウとミュウの連れてきたポケモン達の『親』ということになっている人物のトレーナーカードを見た。
「この『アオイ』という子…確か山奥に隠されてた研究所で保護した、出身地不明の子だって連絡が来てたけど…もしかして……」
「それなら、貴方がここに来た時に着てた服、持ってきた方がいいかしら」
 ジョーイの提案に、ミュウは嬉しそうに尻尾を揺らした。

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露呈。1

 着いた。…やっと、辿り着けた!
 ポケモンセンターの赤い屋根が、これほど頼もしく思った事はない。
 正直、皆も限界だったけど自分も限界で、もうテレポートしようとしてもこれっぽちも精神集中ができなかった。ゲームでいうPP切れってやつかな。
 それでいうならきっとこのパーティーは瀕死6匹とピコンピコンとアラームの鳴っている倒れそうな7匹目で成り立ってるってことになるんだろう。ゲームなら全員が瀕死になれば自動的に(所持金が半分になった上で)ポケモンセンターにワープするけど、この世界でそんな事を試す勇気はない。
 第一、自分がポケモンになったり7匹目の手持ちになったりしてる時点でゲームからは逸脱しまくっている。
 ふらふらとそんなとりとめのない事を考えながらジョーイさんに6つのボールを預けたところで、自分の体力も尽きた。
 ジョーイさんの驚いたような声が聞こえたと思った時には、目の前に床が迫っていた。



 満身創痍の、パッと見では少年とも少女ともつかない子供が覚束ない足取りでセンターに入ってきた。
 一体何があったのだろう。何をしたら、そこまでボロボロになれるのだろう?
 ジョーイは彼(彼女?)から、瀕死状態のポケモン6匹を受け取る。
 何て酷い。連戦に次ぐ連戦でなければ、ここまでポケモンが傷付くなんて事はない。
 思わず眉を顰めるジョーイの目の前で、ポケモンを渡せて安心し、気が緩んだのか、子供は…いや、子供だったものは、力尽きたように倒れた。
「貴方…?」
 トサッと、人間が倒れたにしては軽い音がする。服と荷物に埋もれるようにして横たわっているのは、人間ではなかった。
 ──幻のポケモン、ミュウ。しかも、空色の毛並みを持つ、色違い。
 道理で性別がよく分からなかったわけだ。ミュウには性別はないのだから。
 だがジョーイには幻のポケモンを見た感慨に耽っている暇はなかった。
 そのミュウは、渡された6匹の瀕死のポケモンよりも、更に重傷にしか見えなかったのである。

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トレーナーカード。

 なかなかどうして、女性トレーナーだとイメージにぴったりくるトレーナーイラストがない。髪型もそうだけど、服装とか。
 …むしろ男性トレーナーのイラストにしようかとか考えてしまった(笑)


 そんなわけで、一応元々は女の子なんだけど男性ver.も作ってみました。並べて置いときます。


女性ver.

男性ver.

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