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露呈。3

「すいません。本当に迷惑かけてしまって…」
 ミュウが変身したトレーナー、アオイは恐縮そうに頭を下げっぱなしだった。
 今度こそ事情を詳しく聞いたジュンサーは、あまりの事態に複雑な表情をしている。そしてそれは、ジョーイにも言える事だった。
 転送装置の不具合を利用した、ポケモンの遺骸と人間との合成。ほぼポケモンの身体とほぼ人間の精神を持つ色違いのミュウは、それ故にとてつもなく特殊な存在として未だに狙われることも多い。
 道理で、とジョーイは思った。道理で治療用ボールにもなかなか入ってくれなかったわけである。
 ポケモンセンターには、ボールまで損傷したポケモンや野生ポケモンも保護できるよう、如何なるポケモンも入れることのできる治療用ボールというのが用意されている。だが、文字通り瀕死であったにもかかわらず、アオイはなかなかボールに収まらなかった。それはアオイがミュウという伝説ポケモンである以上に元人間だったという事が原因だったのだろう。
「貴方のポケモン達は、貴方の事を知っているのかしら?」
 アオイは、はにかんだような笑みを浮かべた。
「皆、全部知った上でついてきてくれてます」



「そう…、行くのね。お気を付けて。全国のポケモンセンターには、ちゃんと通達を出しておくわ」
「何から何までお世話になりました」
 アオイはジョーイに頭を下げた。今後、どこのポケモンセンターに行っても、アオイがトレーナーカードを見せれば個室が用意してもらえることになる。また、申し出に応じてジョーイが部屋までアオイ自身のボールを取りに来てくれるようにもなった。
 今まで『身代わり』を駆使して自身の回復にこぎつけていたアオイにとって、かなりの負担軽減だ。
「無茶はしないのよ」
 ジュンサーも見送りに来ていた。アオイはすっかり同情されて、何かあったらすぐに連絡を入れるようにと警察本部直通の番号をポケナビに登録されていた。元から警察直通の番号はもらっていたが、もっと上位にまですぐ連絡の取れる状態になったわけだ。尤も、当のアオイは、この番号は使わないだろうなぁ…と考えている。
「さぁて、行きますか」
 また、次の町へ──

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