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契約後7。

「無茶と言うか何と言うか…。ずっと幽閉されてたら身体がボロボロになってても仕方ないのに、みっともない姿を晒すのは拷問だって言って暴れただけですよ?」
「ずっと…?七年前からずっとか!?」
 まだ何かを言おうとしていたラルフは、オレの呟きに言葉を飲み込んだ。
「……七…年………?」
 道理で…ラルフが老けて見えた訳だ。
「…そんなに…経ってたのか……」
飲まず食わずで七年。死ぬ事もなければ、成長もしなかったオレ。
 ――猛烈に、吐き気と頭痛がした。
「アデル」
 一体本日何度目だろう。思考フリーズした頭に割り込んでくるのは、いつもヴァンの声。
「今は、考えるのを止めろ」
「………」
 オレは首を横に振った。オレだって考えたくない。考えたくないのに…。
「部屋に行って、何か軽く食べて、寝よう。で、明日考えれば良い」
 こんなに吐きそうなのに、何も食べられやしない。
「先生、良いですよね?」
「あ、ああ。すまん、俺が考えなしだったばかりに…」
「リック、行くぞ。鍵返せ」
「お、おう。…ってオレ、ついていって良いの?」
「手伝ってくれるならな」
 ヴァンはオレの手を引いた。途端に、周りの風景が切り替わる。多分、部屋に転移したのだろう。
「座って待ってろ」
 近くに出現したソファーに座らされる。けれど、周りを見る余裕なんてなくて…。
 目の前におかゆが差し出されても、オレは反応できずにいた。
 おかゆのかおりがするのに、それに食欲が刺激されなくて。
 ヴァンに言われて一口食べたけれど、味がしなくて、それ以上食べられなかった。食べ物を受け付けなくなった身体に、オレはまた自分が人間ではないと再確認した訳だ。
 もういっぱいいっぱいで、限界で。どのようにして眠ったのか、オレは全く覚えていなかった。

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