そろそろ年末ですわね。この世界の皆様も、掃除に追われていたりするのですか？伶さんはここ数日、掃除をしているふりをして遊び倒しているようですわよ。
わたくしも、他の者にはとても見せられない日記とかがあるから、この時期だけは直々に掃除しますのよ。ほら、大掃除ともなると、普段は手をつけない所までひっくり返しますでしょう？
…久しぶりに、あの頃の日記を見ましたわ。まだわたくしが純粋にあの方に憧れていて、世界はまだ崩壊していなかったあの頃の。今から思えば、なんというお転婆ぶりだったのでしょう…。
あの方は、雲の上の方。わたくしも智天使ですから寿命は長い方なのですけど…、やはり熾天使のあの方には及びませんわね。わたくしはあの頃から背も伸びたというのに、あの方は少年のお姿のままですわ。
あら？あの方をご存じないのかしら？リューン皇は以前もこの日記に登場していた筈ですけれども。…ああ、でもそれももう何千年…いえ、何万年も前の話ですものね。
え、わたくしの名前？あら。シェイラですわ。シェイラ チェラブですの。そうね、わたくし、あのサイトではキャラ紹介に名前があるだけの存在ですものね…まだ。
しかもわたくし、あの話の中では幼い少女として出ているのですから、今のわたくしを知らなくても当然なのかもしれませんわ。
え、そんな物語の時期から外れたキャラは登場してはいけなかったかしら？失礼ですわね。わたくしが存在する今は、伶さんの書く物語の空白の次期にあたるとのことですわ。妖精の物語が終わりを迎える、ほんの少し前。堕天使の物語が再び動き出すには、まだ遠い頃の。
えーと、そうですわね…。リン編とエリウッド編の間の一年間みたいなものだって…あら？何のたとえなんでしょうね？わたくしにはさっぱりですわ。
妖精の物語が終焉を迎える…嫌な響きですわね。世界がまた、崩壊するのでしょうか？最近、あの方たちの様子がどこか変ですし。
…あなたがたには面白くない話でしたわね。こちらへいらっしゃいな。お茶を用意して差し上げましょう。
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