「なーなー、アンタの契約印、見せてくれよ」
「良いのか?」と、オレはヴァンに視線で問う。ヴァンは、頷いた。
「……分かった」
どうせ着替えるつもりだった事もあって、上半身の服を脱ぐ。二人に背を見せると、
「おぉ~っ! すっげー!!」
多分目をキラキラと輝かせているだろうリックの声と、
「…拡大している?」
すごく訝し気なヴァンの声が聞こえた。
って…拡大している?
「拡大?」
「ああ、昨日見たのとは明らかに違う」
「……オレも見せてもらって良い?」
ヴァンの背の契約印は、確かに昨日見たものより拡大し、紋様も複雑化していた。
そこから読んだ情報が信じられなくて、オレは顔をしかめた。
「どうしたんだ? 怖い顔して……」
リックの声が、耳を素通りしている。
頼む…冗談であってくれ。思いながらオレは手を伸ばし、ヴァンの印にそっと触れて…、そこから魔力を引き出した。
「っ!!」
周りの魔力が少しばかり持ってかれる感覚と共にヴァンの印から姿を現したものを見て、リックの興奮は最高潮に達した。
「精霊王の翼!!? ヴァンって精霊王だったんだ!?」
「は? 何をバカな事を言…って……」
リックに突っ込みを入れようと振り返ったヴァンは、驚愕に目を見開いた。
「何だこれ!?」
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